はりねずみのワインセラー

「これ飲んだな美味しかったな」「これ飲んでみたいな気になるな」を集める架空のワインセラーです。

Damijan Podversic Malvasia 2012

今年、記録を取ったことの収穫のひとつは、私はマルヴァジアという葡萄のワインが好きみたいだということを知ったことです。これは土着品種のようですが、果皮を漬け込んだものも多く、「これ好き!」と思うことが多いみたいです。

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アーティチョークの苦味に合わせて。

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1998年よりカンティーナを立ち上げ、
 リボッラジャッラをはじめとしたフリウリ特有のブドウを栽培。
 1985年、フリウリのワインに造りの「定説」に一石を投じたヨスコのもとには、
 多くの造り手が集まり (今では素晴らしい造り手ばかり、
 のちにそれぞれの価値観を持ち、離れていくことになる。
 当時の彼のカンティーナには溢れんばかりの熱意と信念、才能が集まっていた。)、
 濃密な時間を共に過ごすダミアンは、自身今までにないほど多くの事を学び、
 (本人曰く、技術的なことではなく、
 より内面的な部分で学ぶことの方が多かったという。)
 自身のフィロソフィを築いていくこととなる。
 土地への最大限の敬意、概念に囚われない醸造、果皮の本質を見せるワイン、
 揺るぎない信念(頑固さ)をもつダミアン。
 「畑での仕事量こそがワインの根幹を成す」その言葉通り、
 畑仕事への追及はどの生産者よりも激しい(恐ろしい)。

 約6haのモンテカルヴァリオには樹齢60年を超えるリボッラジャッラをはじめ、
 マルヴァージアイストゥリアーナ、フリウラーノを主に
 ピノ・グリージョ、カベルネメルロー栽培、
 祖父から受け継いだサンフロリアーノの2haの畑にはシャルドネ、フリウラーノ、
 メルローを栽培。畑では年により必要最小限の銅と硫黄物を使うのみで、
 一切の肥料、薬品類を使用しない。さらには土壌の耕転さえも行わない。
 春から夏にかけての徹底した除葉と摘房、果実の収量制限を行う。
 また、収穫に至っては樹上に極限まで残し熟成を促す、
 結果収穫は10月以降、雨が少なく条件が整った場合は11月に至ることも少なくない。
 コッリオ周辺特有の湿度の高さは、一定の条件を満たすことで、
 ボトリティスノービレ(貴腐)の恩恵を受けることができる。
 そうしてボトリティスをまとった白ブドウを収穫。
 畑での徹底的なこだわりと作業量の多さ(過酷さ)は、
 他のどんな造り手にも引けを取らないほど。
 貴腐化した果実を含むため、非常に厳しい選果を行ってから除梗。
 縦型の開放式大樽の中にて2か月以上のマセレーションを行いつつ、野生酵母にて醗酵。
 圧搾後、大樽にて熟成。4年以上のサイクルにてボトル詰め。
 土地の持つ強烈なミネラル、完熟した果実、骨太な酸、
 さらにはボトリティスの恩恵を受けた彼のワインは、豊かさと旨みはもちろんの事、
 他のいかなるワインとも異なる個性を持つ。
 インポーターのエヴィーノさんの資料より